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2011年11月 1日 (火)

2010/3/22 強制送還中に死亡したガーナ人男性国賠事件 第1回 男性の妻による意見陳述全文

標記のとおりです。ご本人の了解を得て、以下、全文掲載します。「バリー」さんというのは、亡くなられた旦那さんの愛称です。

事件の概要は、http://d.hatena.ne.jp/hituzinosanpo/20100817/1282026129などをご覧下さい。

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意見陳述書

2011年10月31日



1 バリーが亡くなってから1年7ヶ月が経ちました。
私から裁判長にこれだけはどうしてもお願いしたい事が2つあります。
一つは事件の真相を明らかにしていただきたいという事です。
二つ目は入管からの正式な謝罪を求めます。
2 人が一人死ぬということはもの凄く重大な事なのに、入管は今日に至るまで遺族である妻の私に夫の死亡時に何があったのか一切説明してくれていません。事件当日、夫は朝ご飯を食べたのか、何か私の事を言っていたか、何時に入管を出発したのか。愛する夫の最期に立ち会えなかったのだから、些細な事柄でもいいから何か知りたいと思うのは遺族、妻として当然の感情ではないでしょうか。それなのに電話一本さえありません。何とか状況を知りたくて自ら東京入管や法務省に足を運びました。けれども一切説明はありませんでした。
入管職員が書類送検された後でさえ全く説明がありません。
再び千葉地方検察庁にも足を運びましたが、未だに何も教えてくれていません。なぜ入管自ら遺族に説明をしてくれないのでしょうか。彼らが夫の最期に関わっていたのは事実なのですから、説明する義務があるのではないでしょうか。
あまりに誠意のない態度には憤りを感じると同時に、悲しくなります。なぜならばバリーの事を人間として見てもらえてないから、入管は説明してくれないのではないかと思えるからです。
入管は、そもそもバリーという人間はもともとこの世には存在していなかったと考えているか、死んだのは人間ではなかったから大したことではないと考えているからなのか、又は事件は何も無かった事にしようとしているのではないかと、時間が経てば経つほど入管に対して不信感が募るばかりです。
彼らの仕事は単に「物」を運ぶ事ではないはずです。生きている人間を「安全」に誘導するのが仕事のはずなのに、バリーは死にました。
私はいまでもバリーに笑わせて欲しくて何度も声をかけます。でもバリーの声はありません。バリーと私は、20年以上に渡ってお互いを思い合い支えあって一緒に暮らして来ました。入管収容時も、連絡や面談が禁止されている日を除いて、いつでもお互いがどこにいようとも、1日足りとも会話がない日はありませんでした。お互い元気で声を聞けるのは当たり前だと思っていました。バリーと私は一心同体なのですから。
バリーは私の人生の光です。私の心の拠り所です。そんな夫の最期に立ち会えなかったのは無念ですし、夫が壮絶な苦しみの最中、私は何も知らないで、誰かと冗談を言いあって笑っていたかもしれないし、ご飯を食べていたかと思うと、とても辛いです。
死の淵で誰からの助けを得る事もできないでいる時、私が助けてあげることも、側にいてあげることもできませんでした。家族や親しい友達からも看取られず死んでゆくとき、一人でどんなに怖かっただろうかと思うと、可哀想でなりません。
亡くなる2日前に面会した時にバリーは、「何があっても私は絶対に暴力は振るわないよ。私はそういうのは好きじゃないの。」「愛だよ、愛があるから私は絶対諦めないの。」「私の事、可哀想だと思わないで。安心して大丈夫だから。悪い事考えちゃだめ。」と言っていた言葉が毎日耳に聞こえています。
緊急連絡先は、横浜入管に提出してありましたが、面会の帰りにもう一度、連絡先の電話番号を職員に手渡ししていました。けれども結局、事件当日に連絡はありませんでした。一人の人間が死んだという事は最も緊急事態なのではないのでしょうか。なぜ真っ先に知らせてくれなかったのでしょうか。私の両親も兄も、いち早くバリーの元に駆けつけたかったのに、お別れの挨拶さえできませんでした。バリーは私達の家族なのに。私の両親たちが、3ヵ月たってやっと会えたのは、変わり果てたバリーでした。
バリーも私も人々の生活を脅かしたり、傷つけたりした事はありません。バリーは近隣の人々に愛され沢山の日本人の友達もいました。バリーのある日本人の友達は、「バリーの事を悪く言う日本人は誰もいないと思うよ。」と言ってくれています。
証拠保全で入管が弁護士さんに見せた書類には、バリーが既にぐったりしているのに、救命措置をすぐ行わなかったばかりか、バリーが死んだふりをしていると思ったと言っている職員がいました。まるで「物」扱いです。なぜここまで非人道的な扱いをされなければならないのでしょうか。バリーは命をかけて二人の絆の強さを証明してくれました。
3 どうか裁判長さま、なぜバリーが死ななくてはならなかったのか真相を明らかにさせてくれますよう、お願いいたします。そして、人間の命の尊さを入管にわかって欲しいと思います。

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コメント

気持ちは分かる。入管が良いとは言わない。

でも,裁判は,真実を解明する場ではないんだな。残念ながら。

紫芳の役割は,真相解明ではなく,紛争解決。それも,表面上の解決のみ。
たとえば,謝罪広告は認められるが,謝罪そのものは強制できない。

裁判手続以外に,「被害者」のために,真相解明する手続があってもいいかもしれない。立法過大かな。。。課題かな。

誤字です。

司法の役割

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